団体監理型技能実習とは

団体監理型技能実習とは、外国人技能実習機構から監理団体として許可を得た団体が技能実習生を受け入れ、組合員である実習実施者が技能実習を行う運用です。

出身国において修得が困難な技能等の修得・習熟・熟達を図るため、実習実施者と雇用関係を結び、最長で5年、認定された技能実習計画に基づいて行われます。

その段階別概要は次の通りです。

①職種・作業、及び技能実習制度の区分の確認

先ずは技能実習制度の「移行対象職種・作業」の対象かを確認します。対象の場合は、入国後1年目の技能等を修得する活動(第1号技能実習)、2・3年目の技能等に習熟するための活動(第2号技能実習)に進み、4年目・5年目は最終段階として職種・作業や条件ににおいて技能等に熟達する活動(第3号技能実習)を行います。
※ 移行対象職種・作業に該当しない場合であっても、同一作業の反復のみで修得できるものでなく、また、制度の目的である開発途上地域等への技能移転や経済発展に寄与する技能であれば、「技能実習1号」の在留資格で、1年以内の技能実習が認められる場合があります。
実習期間区分在留資格
入国から1年目(修得)第1号団体監理型技能実習技能実習第1号ロ
入国2・3年目(習熟)第2号団体監理型技能実習技能実習第2号ロ
入国4・5年目(熟達)第3号団体監理型技能実習技能実習第3号ロ

②技能実習生の申込み(雇用関係の成立のあっせん)

技能実習制度を利用するには、許可を受けた監理団体に加入し、業種や国籍、雇用条件などの希望を提示して申込みします。
監理団体は、対象職種・作業の確認を行った後に、契約先の送出機関へ条件を伝え、候補者の選定と選考準備を依頼します。
送出し機関の段取りができた時点で、現地に出向き行う方法、又はZoomなどのオンラインで行う方法で選考を行います。



合格者に対しては、実習内容や雇用条件などを再認識してもらい、雇用契約書を結びます。


③養成講習の受講(認定申請の準備)


技能実習計画認定申請には、技能実習責任者講習の「受講証明書」の添付が求められます。
技能実習を行う事業所毎に常勤の「技能実習責任者」を配置する必要があり、選任された方は3年毎に「技能実習責任者講習」養成講習を受講します。


④認定申請の作成・認定申請

技能実習計画認定申請には、技能実習計画や申請者の誓約書、財務諸表など多くの書類添付が必要です。
中でも「技能実習計画」は、監理団体指導のもとしっかりと作り込みします。
これらが整い次第、技能実習機構に申請し、技能実習計画が適当であるかの認定を受けます。


⑤受入準備

技能実習計画が認定され、在留資格認定証明書が交付されると、具体的な入国日を決め、それに合わせ宿泊施設の確保に進みます。
寝室は床の間・押入を除き、1人当たり4.5m2以上を確保します。また室面積の7分の1以上の有効採光面積を有する窓及び採暖の設備が必要です。
労働基準監督に届け出た「事業の附属寄宿舎」の場合は寄宿舎規則に準じます。いずれの場合も、給与の家賃割合に留意し、入居人数や異なる勤務帯の同室を避ける部屋割り、安全衛生を考慮します。また、相部屋の場合は、個人毎に私有物が収納できる鍵付き保管庫を整備します。
入居時には、生活用品として洗濯機、炊飯器、冷蔵庫、エアコン、テレビ、調理器具、食器類、寝具や照明器具、テーブルや椅子などに加え、初回のみシャンプーなどお風呂回り、ハンガーなど洗濯回り、トイレットペーパーなどトイレ周りの消耗品と掃除道具を準備します。また通勤が徒歩圏外や生活に不便な立地の場合は、自転車の貸与も考慮ください。
Wifi環境については技能実習生と負担額について協議し意思確認した後に設置ください。


⑥入国~入国後講習

入国後は、約1カ月間、監理団体による入国後講習を行います。
本来、入国後講習時間は、原則2カ月間、実施技能実習計画時間の6分の1以上、例えば、1,920時間であれば320時間以上の講習が必要です。但し、日本語科目又は技能等の修得等に資する知識の科目の講義に相当するものが入国前講習として合計時間数の2分の1以上を現地で終えると、入国後後講習は合計時間数の2分の1を上限として免除されます。この約1カ月間で次の科目を学習します。
 •日本語
 •日本での生活一般に関する知識
 •出入国または労働に関する法令の規定に違反していることを知った時の対応方法や、その他の技能実習生の法的保護に必要な情報
 •日本での円滑な技能等の修得に資する知識


⑦入社オリエンテーション

入国後講習を終えるといよいよ実習実施先に移動し正式に雇用と技能実習を開始します。入社時は、日本人と同様に、雇入れ時安全衛生教育、危険又は有害な業務には必要に応じた特別教育を行うなど入社オリエンテーションを行います。生活指導員により、スパーマーケットやコンビニなど日常生活に必要な情報、ゴミ出しルールなどもご指導ください。


⑧作成・備置が必要な帳簿書類

技能実習が始まると、技能実習指導員は、日次で技能実習生に従事させた業務や指導した内容を「技能実習日誌」に記帳します。
技能実習責任者は、月次でその日誌の内容と対象者、また「認定計画の履行状況に係る管理簿」で認定計画の実施状況、生活状況を項目ごとに確認し、問題があれば追記して記録に残します。
これ加え、「技能実習生の管理簿」として次の書類保管の法的義務を負います。
 ①技能実習生の名簿
 ②技能実習生の履歴書
 ③技能実習のための雇用契約書
 ④雇用条件書
 ⑤技能実習生の待遇に係る記載が書かれた書類
法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定める特定の職種及び作業にあっては、事業所管大臣が告示で定める書類を保管します。
これらの書類は、主務大臣による立入検査や技能実習生機構による実地検査の際に、速やかに提示できることを求められ、技能実習を終了した日から1年間、技能実習を行う事業所に保管します。


⑨監理団体による実習監査

実習監理とは、実習実施者と技能実習生の間における雇用関係の成立のあっせん、及び実習実施者に対する団体監理型技能実習の実施に関する監理を行うことをいい、実習実施者は、必ず監理団体の訪問指導、監査を受けることが義務付けられています。
また技能実習の目標は、技能等に係る業務に従事しその各段階において、技能検定又は技能実習評価試験(2号へ移行の場合は学科と実技、3号へ移行の場合は実技)を適切に受検し合格することであり、これにより次の段階の在留資格に移行できます。
監理団体は、この目標にむけた実習計画の進捗状況と雇用条件や安全な作業環境等が法律通り守られているかを監査し、技能実習生の保護と支援にあたります。

詳しくは、経営ネットワーク協同組合にお問合せください。